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The opportunity to start a business
起業のきっかけ
東京の光ファイバーのコネクターメーカー会社でOLをしていた私が、夫(現在は離婚)の海外転勤に伴い渡米することになったのは、2001年7月、911が起きた同じ年のことでした。
ロスアンゼルスやサンフランシスコは知っているけど、
サンノゼってどこ?
なにがあるの?
シリコンバレーってどういう意味?
今でこそIT業界においては世界の頭脳と呼ばれるほどの場所になっていますが、当時はまだITという名前すら存在しませんでした。
シリコン=半導体
半導体の街?
半導体ってなんですか?
と思いつつ、渡米のために40万円で購入した電話帳ほどの厚さで、片手では持ち上げられないほど重いGate Wayのノートパソコンを大事に抱えて、サンフランシスコ空港に到着しました。
ちなみに元夫は、お弁当箱くらいの大きさのSONYのP-1という10万円のデジカメを渡米のために購入。
サンノゼは、同じカリフォルニアでもロスアンゼルスのサンタモニカの華やかさやLAダウンタウンの高層ビルもない。道はとても広く、空き地も多く、東京の下町で育った私にとっては物凄い田舎に来てしまったというのが第一印象でした。
さて私は、アパレル業界の母の影響もあり、高校は制服で選んだほどの大のファッション好きです。ですから私の渡米の楽しみは、とにかくアメリカのファッションを楽しむこと!
ロスアンゼルスのメルローズや、サンタモニカピアのようにお洒落なブディックが並んではいないサンノゼですが、ショッピングモールやアウトレットモールで買い物することが私の唯一の楽しみでした。
毎週末はとにかく買い物に明け暮れ、大好きなアメリカブランドを日本のセレクトショップよりも安く購入できることにとても満足していました。
そのうち自分の満足だけでは気が済まなくなり、日本にいる友人たちに私の買い物の内容をAOLメールで送信するようになりました。
すぐに友人たちからは、「私も欲しい」「私のも買ってほしい」というリクエストがたくさんくるように・・・。
もともと学生時代から、価格に見合った以上の品質やデザインの洋服を見つけるのが得意で(自称買い物上手)、友人からはもちろん通りすがりの方からも「その洋服はどこで購入したのですか?」と聞かれることも多かったのです。
友人たちへのリクエストに答えるだけでは満足できなくなった私は、あることをひらめきました!渡米前に断捨離のために利用したYahoo!オークションでの販売です。
今でこそBuymaというような海外買い付け専門のサイトが存在しますが、当時のヤフーオークションではアメリカからの出品者は2−3名くらいでした。
そしてある日、NYの出品者がEXPRESSというアメリカのチェーン店の$20のカットソーを送料込みで9,900円で販売しているのを見つけたのです。その瞬間、雷が落ちたような衝撃を受けました。
「明日朝、すぐに私もショッピングモールへ行き、EXPRESSの洋服を購入して出品しなければならない!」
そして翌日から、ワンベットルームのアパートのリビングルームで、40万円のノートパソコンと10万円のデジカメをフル活用する生活が始まったのです。