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Entrepreneurship in Silicon Valley
2002年資本金30万円でシリコンバレー起業
「ピーーーヒョロロロ...」
「ピーーーゴーーーザーーーー」
シリコンバレーは、暗いまだ朝5時。この音から、私の一日が始まる。
ワンベットルームのリビングルームから、AOLのアクセスポイントにダイヤルして、電話回線でインターネットに接続する。
Wifiなんて無い時代、1電話回線にパソコン1台しかインターネットを繋げないので、夫が起きてくる前に私は作業に入る。
私の仕事は、まずは入金確認。
オークション落札終了日から、5日以内に入金をしていただくことになっている。
日本初のネットバンク、ジャパンネット銀行で口座を作り、シリコンバレーにいても入金確認が出来る仕組み。
落札してくれた方は、落札した翌日、または遅くとも3日以内には振り込んでくれる。
振り込まれなかったことは今まで一度もなかったと思う。
さて、ちょうど日本が夕飯を食べ終わり、
インターネットを繋ぐ人たちが多くなる時間帯に、私は入金確認と出荷の連絡をする。
1日あたり、オークション終了する商品は30〜40品、30〜40人の方へひとりひとりメールを送信する。ほとんどコピペでのメール送信作業だが、エクセルで販売・売上管理を行っているので、この入力に時間が掛かる。
でも毎晩このエクセルの管理票を見てニヤけるのである。
日本が寝静まった頃、梱包と出荷作業に入る。
梱包作業は、だんだんひとりでは手に終えない状態となり、帰宅した夫にも手伝ってもらったり、友人に梱包アルバイトとして働いてもらうことになった(はじめての雇用)。そうなるまで半年も経っていなかったと思う。
また、1日中電話回線を繋ぎっぱなしで、どんなに頑張って出品作業をしても、出品できるのは1日40品が限界。画像をアップロードするのに、電話回線はとにかく時間が掛かる。
それでも何とか0時までには、その日の作業を終え就寝する。
週末は、仕入れ買い出しのために、ショッピングモールやアウトレットに行き、愛車のオデッセィーにバックミラーが見えないほどに積み込んで帰ってくる
出品をスタートしてから、数ヶ月でこのようなルーティーンワークとなった。
平日午前中に通っていたアダルトスクールのESLへは、いつの間にやら行かなくなっていた。
英語を習っている場合ではない! 笑
(アダルトスクールとは、市が運営している無料の大人向けの学校)
東京でOLをしていた時のお給料25万円以上を自分で稼ぐことができて、とにかく楽しくて楽しくてしょうがない毎日。
仕入れに行った週末は、常連のお客さんへ早くお見せしたくて、寝る時間を惜しみ朝まで出品作業をしていたこともあったのです。
では、ここで私の起業について纏めてみましょう。
資本金と設備
●資本金 日本の銀行普通預金30万円
●日本のクレジットカード※
●40万円のGate Wayのパソコン
●10万円のSonyのデジカメ
●マネキンをeBayで$150で購入
●電話回線とAOLプロバイダ契約
※のちに、限度額の高いゴールドカード及び、限度額のないAmexなど、クレジットカードは数枚作る。
マイルが貯まりに貯まり、日本往復はマイレージでビジネスクラスを利用。
ビジネス条件
●店頭購入で、返品可能。→リスク無し ※アメリカはほとんどのお店が返品可能。
●クレジットカードで仕入れる。→クレジットカードの引き落とし前に、落札者から入金されている。
●現金取引→落札日から5日以内に入金され、キャッシュフローがとても良い。結局、普通預金の30万円に手を付けることはなかったので、資本金は0円で起業できたとも言える。
そして起業スタート時=Yahoo!オークションに最初の商品を出品する時、
家族も親戚も自営業であり、生まれながらに商売気質のある私はあることをしました。
出品スタート時のポイント
NYの出店者よりも、
①安い価格を設定
②商品数を増やす
この2ポイントにより、どんどんお客さんが流れ込んで来ました。
これが私の起業です。
起業について、とても素敵なイメージを持たれている方が多いかもしれません。
実際は、とても泥臭いものでした。笑